大家業、アパート経営、そう聞くとあなたはどんなイメージを持ちますか?
これはボクの周りの知人の印象なのですが「家賃収入だけで何も働かずブラブラ過ごしている!」なんて印象を持っている方が多いです。
もっと言うとボクの周りの大半が不動産=不労所得と考えているようです。
高齢者の貧困問題を扱った本「下流老人」の作者である藤田孝典氏も不動産は不労所得だと考えています。マジかよ!
ZOZOTOWN前沢社長のように、普通は開示しないから見えないだけで、年収が一億円を超える富裕層は就労収入ではなく、株や不動産、運用による資産収入が大半。いわゆる「不労所得」であり、ここに課税強化しなければ社会保障は回らないし、消費税増税の合意も形成されない。税が安すぎるよ。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2018年10月5日
ここで最初に断言しておきます。不動産は不労所得ではありません。
不動産は労働所得
確かにサラリーマンの方と比べると時間的な余裕は確かにあります。しかし、決して何もしないで家賃収入がただただ入ってくるわけではありません。やるべきことはたくさんあります。
物件を管理しなければならない
まずやらなければならないのは物件の管理です。もちろん、家賃滞納の催促といった入居者への対応は難しいので不動産管理会社に任せます。しかし、管理会社は一人の社員につき100件もの物件を担当しているので物件の隅々まで対応してくれるわけではありません。
もっと言うと物件の共用部やゴミ置き場が汚れているときがたまにあるのですがそういうときは自力で綺麗に掃除しなければなりません。
ゴミ置き場の掃除は大変!
特に大変なのがゴミ置き場の掃除です。何が大変かって不法投棄された生ごみが大変!臭くて臭くてたまりません。以前ゴミ置き場を掃除した時は腐った生のイカとか普通に転がってましたからね!もうハエも周りにたかってるし臭いし地獄でした。
冬は物件の雪かきも地獄!
あと大変なのが冬国は物件の雪かきがあるところ!入居者様が出入りしやすいように駐車場や物件の入り口を雪かきしなければいけないんです。これも大変でした。
何故なら雪は固いし重たいし、雪かきしてもしてもどんどん雪は降るしおかげで冬の間はずっと体がボロボロでした。
退去者が出たら掃除・リフォームしなければならない
最も大変なのが物件のお部屋から退去者が出た時は次の入居者様が気持ちよく過ごせるように部屋の清掃をしなければならない点です。
これも地獄です。お風呂はかび臭くて気が滅入りそうになるしトイレは汚物がこびりついているときがあるしもう身も心もボロボロです。
何度も言いますがアパート経営ってそんなに楽な仕事じゃないんです。え?だったら他の業者に頼めばいいだって?そんなことしたらこっちの利益がなくなってしまいます。大家業自体、そこまで余裕のある仕事ではないのです。
お金のやりくりをしなければならない
次に大変なのがお金のやりくりをしなければならないという点です。毎月入る家賃収入から銀行への借金返済に充てたり、管理会社への管理料の支払いもありますしいろんなお金の出入りがありますので慎重にやりくりしなければなりません。
ちょっとでも支払いが滞ると大変です。信用に関わりますからね。
帳簿を付けなければならない
これは大家業関係なく自営業の方全般に言えるのですが帳簿を付けなければなりません。これは年度末の確定申告でしっかり申請して納税するためです。
ボクの父は物件の清掃などの傍ら朝の5時に起きてコツコツと帳簿入力を行っています。
それぐらい時間を大切にして働かないとやっていけないのです。
空室の恐怖と戦わなければならない
近年では人口減少に伴い物件の数が明らかに余っています。一言でいうなら供給過多です。このため、日本中の物件で空室の数が少しずつ多くなってきています。
もし仮に空室の数が多くなったら・・・家賃収入が減っていき管理会社や銀行にお金が払えなくなります。そうなったら破産です。
そのような事態を避けようと日本中の大家は少しでも空室を埋めるためにあれこれ試行錯誤しています。壁紙を張り替えたり入居者へのプレゼントをつけたりetc…
大家業の間でも生き残りを賭けた厳しい競争があるんです。
結論:不動産業=大家と周りの人の努力があって初めて成り立つ
ボクが言いたいこと、それは不動産業は何もしなくてもお金が入る不労所得ではなく大家と周りの人の努力があって初めて成り立つものだということです。
最近、それが分かってない人があまりにも多すぎたんでモノ申してみました。